サマータイムマシーン・ブルース

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サマータイムマシン・ブルース スタンダード・エディション (初回生産限定価格)
おすすめ度の平均: 5
5 「せっかくのタイムマシンを…」のおバカSFコメディ、オススメ!!

とある四国にある大学のSF研究会。その日は齟齬が起きていた。おまけに古ぼけたクーラーのリモコンがコーラまみれになって機能を停止。翌日の部室の暑さは耐え難く、部員達は涼を求めて奔走する。ふと気がつくと見かけない人物が室内にいて、その不審人物が立ち去った後に怪しげな乗り物がデンと置かれていた。メーターの計器はタイムマシンその物だ。ふざけて乗せた蘇我は機械を起動させてみる。担がれたと思っている部員はノリでそれを見守るのだが一瞬にして機械共々消えてしまった・・・。
という、タイムマシーンが奏でるコメディ物。その場のノリだけで生きているような享楽的な大学生達はその辺に居そうで怖いが、中々面白かった。やっぱり思った通り舞台が元だったみたいだね。それらしさが随所にあったし、やっぱりそうかという感じ。
登場する人物達は基本的にボケ倒し。たまーにツッコミが入るけれどゆるーい漫才を見ている気分になるね。ボケとボケというと「笑い飯」みたいな感じかな。
本質的に欠けているのはツッコミ体質の登場人物。それさえいれば完璧だった。きっついツッコミで場を安定させてくれるようなキャラが居たら居たでまた別の話になっちゃいそうなのが困りものだけどね。兎に角もう暴力的にケジメをつけさせる人物が居ないから際限なく状況は厳しくなっていく。
ま、タイムトラベルに関する状況把握が相対性理論を専門とする人物の適当さが絡んでいるのはちょっと厳しかったかな。でもキャラで得していると思った。これがシリアス路線だったら面白くも何ともないだろうしねぇ。
恋愛を絡めつつ、青春の喧噪をまとめるこのシナリオ手腕はイイ。
てか、スター・トレックだとかバック・トゥ・ザ・フィーチャーとかH・G・ウェルズとかの小ネタが映像的に挟み込まれているのは笑いを誘うね。解る人にしか解らないネタはちょっと人を選ぶかもしれないけど、解らないなら解らないでも別段問題なく楽しめるかな。
最新のタイムマシーンをネタとした作品としては秀作。ただ、この喧噪に耐えられるのは二十代までかも。懐古的に楽しめる人ならば問題ないけど、はなについちゃうかもしれないなぁ。くだらない笑いが好きな人は是非。
追記:田村君は味があって佳いなぁ。志村けんみたいだ。