FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN

Final fantasy VII advent children prologue
Vジャンプ編集部
集英社 (2005/09)
売り上げランキング: 6

はい、FF7ファンには待望のACです。ご多分に漏れず私もそれに期待していた一人だったんですが・・・。
見終わって初めの第一声は「責任者出てこーーーーい!!!!」でした。なにが「私達、思い出に負けたの?」だ。思い出に負けてるのはどう考えても制作陣だろw。
ストーリーはFF7のラストの二年後。ライフストリームが過剰白血球よろしくジェノバの遺伝子を持つ者を攻撃して「聖痕病」なる物が世界に流行っています。聖痕病は治療の方法が無く、クラウドも聖痕病を発症している。クラウドはそれをティファに隠しつつ仕事の何でも屋をやっているのだけれど、ある時実体を持たないジェノバの息子三人がやってくる。彼らはジェノバを求め、星に復讐することを誓っていた。まぁ、有り体に言えば「セフィロス」を復活させ、ジェノバがこの星にやってきたように惑星間移動を惑星を箱舟として用いるという事になるのだが・・・。
正直色々と気になる部分がある。白人ばっかで気持ち悪いってのが一点。それらしく有色人種として描かれていたのはバレットだけ。あと戦闘は全体的に軽い、軽すぎる。ゲームを元にしているとは言え魔法はつかわねぇ(マテリア使ってないからか?)、血は流さない、一体どこまで高く上るつもりなんだお前はとか、いくら落下しても怪我一つしないとか、リアリティは欠片もない。なんかワイヤーアクションを使った中途半端なアクション映画を観ているみたいな感覚に囚われて途中で飽きが来る。FF7と関係がなければ途中で見るのを辞めているよ。ということで、再び「責任者出てこーーーーい!!!!」ですよ。ま、戦闘で良かったのは超究武神覇斬が見れたことぐらいかな。率直に言ってシナリオが駄目すぎる。同人に負けるぐらいってマジ酷いよ。独り言が意味不明というか詩的にしようとしすぎて痛すぎる。当時は丁度良かったシナリオライターの言葉のチョイスセンスも長い年月が経過したことで劣化しているとしか思えない。やはりね、アニメのシナリオライターとか小説家とか文筆業の専門家じゃないと話にならないよ。ゲームムービーの作り手なんかじゃレベルが低すぎて鑑賞に耐えない。ま、このレベルの内容がまかり通ってしまうというヤバさが現在のスクウェア・エニックスを象徴していると言っても佳いかな。
どうでもいいけどザックスとエアリスに今更頼るってのはどうなのよ。ザックス×クラウド好きには堪らないかも知れないけれど、流石に続編でまで白昼夢として度々出てこられるのには辟易したよ。それ以外にも登場する仲間達、居ても居なくてもほとんど変わらんのでは?登場した甲斐が無さ過ぎるよね。その中でも特に酷いのが・・・・シド・ハイウィンド。制作陣はFF7のシド好きを敵に回したぞ・・・。なんだありゃあ。元ネタのキャラクターと顔変わってるし声の配役も中途半端。つか、シドは宇宙目指してたんじゃねぇのかYO!反対に確実にファンを伸ばしたのはヴィンセント・ヴァレンタインかな。ボケキャラの癖に美味しいところ持って行きやがる。レノが藤原啓治なのは合ってるけどちょっと神羅の連中弱すぎないか、と。あとはそうだなぁカダージュ(ジェノバの息子、非実体)の前髪がうざすぎるぞ。あんな髪型にしてたらジェル持って行ってオールバックに固めたくなるわ。観ていてイライラし通しよ。前編通してナルシー大杉。あーそうだ、ケットシーの本体出てこなかったんだけどじゃあなんでケットシー出してるんだか。ケットシーって新羅から隠れるためのコントロールマシーンでしかないはずだったんじゃなかったっけ(激しくうろ覚え)?それならばレッドXIIIにぶら下がる意味はほぼ0のような。それに何もしている節がなかったからかえって邪魔だと思う。オールスターがただやりたかっただけかな。それならば何も戦闘を既定条件とせずにそれぞれのその後をクラウドとティファが訪れるとかいう内容でも十分だったような。でもそうすると神羅カンパニーが出づらいか。
えーと総括としては、「痘痕も靨なファンは大丈夫」、「生半可なファンは期待してみては駄目、むしろ覚悟を要する内容」かと。正直これはファンに対する裏切り行為だと私は思いました。