私屋カヲル 青春ビンタ! (6)

青春ビンタ! 6 (6)
青春ビンタ! 6 (6)
posted with amazlet on 06.02.23
私屋 カヲル
少年画報社 (2004/09/27)
売り上げランキング: 95,420

前回(1)〜(5)巻を読んだのでシリーズを締めくくるために最終巻を読みました。相変わらずお下品な下ネタ尽くしの本作ですが、一つのパターンでキメうちされた作品なので、一定のテンポで話が作られていて、好きな読者にとっては中々面白い漫画だったのではないでしょうか。しかし、最終巻、つまりは話を終えると言うことに関しては少し難がある終わり方だと思います。きちんと終わらせる事に関して後手に回って有終の美を飾るに相応しくは出来なかったように思うのです。そのためドタバタラブコメというなし崩し的な終わり方になってしまったのではないだろうか?と思います。
通常ラブコメという物はギャグとシリアスの対比によって動的と静的な部分をバランスよく配合し、より読者をのめり込ませるように話作りをするのが定石です。ですが本作においては下ネタギャグの割合が極端に多く、バランスがほとんど取られてきませんでした。故にシリアスに持ち込むこと自体が難しい変わった毛色に落ち着かざるを得なかったのかもしれません。私としては読んで面白い作品とは言い難い終わり方でした。
絵柄については特に問題はないんですけどねぇ。それでも言及するとなれば1巻と最終巻との間にキャラクターの造作が相当変化している部分はあります。これは連載においてはよくあることですが、不細工だったビンタがここまで変容を遂げるというのも結局は主人公として持ち上げる必要があって、あまりにもこれじゃあモテ無いだろうという面容では物語を成立させるのが難しくなってきたからではないか?と思ったりしました。
まぁ、青年誌に描いたのが初めてというある種習作的位置付けの作品であるので仕方はないんでしょうね。前にも言及しましたけれど、『イケてる二人』の方が極端に下ネタに走っていない分ラブコメとしては面白いかと。
あーあと、作者はこの巻あたりで結婚したんですか?結婚したのにこの作品をまわりに黙っておけっての無理な話じゃないかなぁ。