レモンクラブという名を知っているか?其の二

コアな内容と不快感を感じる人が居るだろうと思うので、そう感じる人は上の最新の日記からトップへ抜けてくださいな。
































































































































てーわけで二段目です。前回は記憶に基づく大まかな説明をしてみたんですが、今回は実際に実物から解剖してみたいと思います。
取り出しましたるは恐らくうちに眠る最古のレモンクラブ。机の一番下の引き出しに寝かされて11年とちょっとの年代物です。奥付を見るに1994年に発行された8月号と書かれてます。次号発売は8月13日となってますから7月13日に発売された物でしょう。いやーなつかしい。懐かしすぎて表紙の画像をUPしたいところですが、あいにくスキャナが亡くなって半年ほど経ってますので無理ですw。糞ニーのハンディーカムなら手元にあるんですが、映像入力端子のiリンクがないもんで難しい。携帯もかれこれ5年以上使ってる年代もんですんでカメラなんてついてないし、デジカメなんて便利な物は誰かに借りなきゃ無理です。ということで文オンリーでお楽しみ頂きたいと思います。
まずは表紙から。由瞳綺麗(イヤー懐かしぃ)が表紙イラストを描いていますが・・・ファーとかついているけれど、ボンテージっぽい革・ゴムなバニースーツみたいな物を着ています。でも耳無し。襟に付いているリボンはおおきさからして自己主張強めです。学生の制服によくある感じに近いですかね。モデルは正面を向いてM字開脚にした笑ってる女性ですが、背景とかを考えると季節感が0です。だって、洋風建築っぽいバックに見えるのは暖炉(とおぼしき物)。先ほど言ったリボンは赤で、股間に手を持って行っているんですが、赤くてでかい布をたぐるようにしています。うーんこれはどう考えても12月付近で使った方がよいような。ま、それはそれとして。
エロ漫画には何故か変な風習が有るようで昔の奴にはそれぞれの号に名前を付けていたようです。この号にも表紙に記載されています。えーっとなになに、「社会党のデモクラッツめ俺のケツを舐めろ号」・・・。いやー勉強になりますねw。なんとも根本センセが垂涎するような「因業オヤジ」のかほりがします。
この号の煽りは「口だけの男より行動派が好きです。」だそうです。なんかテレクラや出会い系っぽいですなぁ。
では奥付を見てみましょう。

これがこの号で書いてるメンツです。常連だったふぁんとむや真弓大介やら梓幸雅、伊集院808の名がないのは単に原稿の進行状況の問題でしょうな。いやーにしても懐かしい名前が沢山ですね。てーかそういえばいたなぁ佐藤丸美。忘却の彼方だったけどなにげにエロ漫画家続けていたみたいですね。絵柄は相当洗練されてほぼ別人ですな。アマゾンによると初の単行本は1990年でしかも出してるのが白夜書房。今はパチスロ雑誌で売ってますが、昔はエロの方もやってたということの名残でしょう。今白夜のHPへ行ってみたところ、中身は健全且つスタイリッシュな雑誌とムックばかりでどうにも面白味は無くなってますね。混沌としている方が楽しいのになぁ。とちょっと調べてみたところウィキペデアでヒット。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E5%A4%9C%E6%9B%B8%E6%88%BF より引用。

前身、ビニ本を制作発行し、大人のオモチャ店の経営をしていたグリーン企画が取次を通し雑誌出版社のセルフ出版となり、セルフ出版から別会社として設立されたのが白夜書房といわれる。

昭和60年代くらいまでは、青年娯楽誌を多数発行するアダルト系出版社として知られていたが、現在は一般向け趣味娯楽誌のみへと路線変更、圧倒的な出版市場シェアを誇るパチンコ・パチスロ関連誌を初めとし、競馬・競輪などのギャンブル誌各種と「ダンスファン」「楽しい熱帯魚」「オーディション」「野球小僧」などギャンブル以外のジャンルも刊行する準大手出版社となっている。

かつての青年誌の代表作は「写真時代」、文化人が多数執筆したため、現在でもその価値は高い。写真時代は編集業界で名編集者として有名な末井昭パチンコ必勝ガイド編集人)の出世作でもある。当時も「写真時代」のような雑誌を作る傍ら、一方で音楽・映画・プロレスなど各種趣味娯楽の単行本も多く出しており、文化から本能までの幅広い刊行にはかつてファンも多かった。

現在かつてのアダルト・サブカルチャー的部門等は旧少年出版社(現・コアマガジン)に一任し、一般書のみの刊行を行っている。また同社および系列会社の雑誌広告代理店及び漫画専門書店「まんがの森」を運営する宣伝ルームも子会社の一つである。

なるほど、コアマガジンに全部渡しちゃってたのか。それなら納得。というか、調べてみてよかった。また一ついらない知識が増えましたね。白夜のエロ本と言えば『ニャン2倶楽部』系列には大変お世話になりました。現在もコアマガジンコミックメガストアコミックメガストアHも楽しみにしています。とはいえ、消費者サイドからは出版業界はよくわからんですな。
さて、元に戻ります。それぞれの作者や書いた漫画についてはの詳細は次回ということにしておいて、漫画以外の内容を突っ込んでいきたいと思います。
そうなると普通のエロ漫画雑誌だと広告そして読者ページって事になるんですが、この雑誌は前回も書いたようにその読者ページが凄いことなってます。また、中年向け週刊誌のように何故かコラムまで。では読者投稿ページの内容から行ってみます。

読者コーナー

  • なかよし倶楽部

これは前述したDONKEYセンセの漫画の様に思われますが、全然違います。何故か漫画家なのにこの雑誌ではそれ以外の仕事にも従事してるんですな。しかも、塩山編集長のHPを見るにどうも金貰ってないんじゃないかなぁと思える感じ。だって、HPの更新作業は下僕ども(面倒を見ている漫画家と有志)でやってるみたいですし。DONKEYセンセは塩山編集長のHPの言によると「締め切り破りの常連」らしく一種の罰みたいなもんなんですかねぇ。で、このコーナーを担当してるわけですが、何故か全部手書き。ちゃんとイラストカットも書いてたりします。が、投稿はがきの掲載量は他の雑誌を圧倒してます。どう見ても紙面の6割以上が投稿はがきなんですよ。今じゃほとんど見ない掲載方法ですが、枠付近にまではがきを掲載するというすげぇ状況。しかも、上手い下手をきちんと判別した上で上手い人をちゃんと掲載している。さながらエロ版ローディストみたいな状況です。ま、必ずしも水準を満たしていない人も居ますがね。
描かれているキャラは時代を反映してアニメ漫画系、オリジナルキャラクター、ゲームキャラクターなど多岐にわたります。正直連載している漫画家より上手い人がざらだったりしますね。コーナーの中にはvsコーナーというのがあって、毎月のお題が出されています。この号では姉と妹どちらがいいのか?という題でした。いやー2000年付近にエロゲメーカーが大増殖を遂げて妹ゲーやら姉ゲーやら萌えのツボがどちらなのかという状況になったのを思い出します。現在はロリ系全盛なので妹の方が強いんでしょうなぁ。例えば十数人の妹が出てくるあれとか。
他にもドラコーナー(もはやどういう理由でこうなってるのか不明。忘れたとも言う)やMateが刊行されるに至る原動力ともなったSMコーナー等がありました。ええ、過去形です。だって、現在のレモンクラブは買ってないんですものw。資料用にゲットするってのも手ですけどね。この読者投稿イラストページは当時のエロ漫画雑誌の中でピカ一だったんじゃないですかねぇ。これのために買ってたのかなぁ当時。もはや11年も前のことなので判然としません。

  • ヤケクソジョッキー

編集長の塩山さんとDONKEYセンセ、そして編集のシマ女史とやくるーとさん。やくるーとさんが編集者なのか作家なのか忘れてしまったので分かりませんw。でもまぁ、些細なことです。だって出てこないから。
ここはもうひたすら文章です。しかも読者の出した批評とかにかなりまじめに向かってますね。糞味噌に貶してる奴すら載せている。度量が大きいとかそういう問題じゃないんですが、かなり誤解されそうですね、佳い意味で。この号の一番始めにのってるはがきなんて引用してみると

谷内和生(山本浩、衣笠ときたら、次は大野に高橋慶ですかい?)佐藤丸美(最近よくケナされているけど、今度はいんでないの)表紙(最強のひとこと。ただ今月まんがの方はイマイチか)
真弓大介(いまどき"後藤久美子"なんて出てくるあたり、センスの老化を如実に示している)星逢ひろ(こなクソつまネタで、なんで巻頭を張れるのか不思議)山井坂太郎(せっかくぜんたいのレヴェル上がったのに、また奈落の底に沈めてどうするの)
+ここんとこ表紙が充実していてナイスなんだけど、こうなるとロゴの古さがちょっとなあ。吉田班の「ファンタジーカクテル」みたいに、途中で表紙&レイアウトのモダナイズできんもんかねえ。アレがどういう経緯で実現したのか知らないけれど新しくなったとたん平積みに昇格していたし。CMともどもけんとうしてみてくだせえ。
(札幌市・ポール上良)

こんな感じです。きちんと編集とキャッチボールする感じになってます。
それに対して塩山編集長は

●塩「やなこった、"モダナイズ"なんぞ。より"イモナイズ"すんならともかく」

とか返してます。まぁ、まだ常識的な範疇ですな。
まぁ、ここら辺は現在のほとんどの雑誌はイメージキャラクターを使ってやってたりしますね。でもきちんと編集者があたっているってあたりが実に家内産業的で良い味を出してます。また、前回書いたように余白には落書きなんじゃね?的な手書きの文が書かれてます。
曰く池田大作がどうの、ファシスト小沢がどうのまるで週刊文春週刊新潮がやじってるみたいな内容ですw。何故か欄外に手書きで会社の連絡先の電話番号が記載されてたりもして・・・うーんと唸っちゃいますがね。なんでもバックナンバーを買ってくれということらしいんですがそこの煽り文句が「将来値が付く本だから損しないって」・・・じゃあこの手元にある微妙な保存状態の本も高く売れるんだろうか?いや、それはないってw。

  • ま〜のオナニーだよ人生は!!

イヤー懐かしい。ここで性教育を受けましたね、俺は。つか、ま〜って誰だよw。編集者なんだろうけどね。

  • 俺がスターだ!!

このコーナーは読者投稿ページで出色の投稿をしている人物にページ一枚まかせちまおうという太っ腹なコーナーです。ここまでさせてくれる雑誌は他に無かったんじゃないかなぁ、過去も現在も。

  • アル中舞の趣味丸出し

ここはコーナー分ける意味あるのか今見ても謎ですが、何かに嵌っているヲタの戯言のはがきを載せるコーナーでした。

ま、色々なコーナーがあったわけだけど、縦4cmほど、横3cmぐらいに縮尺されたはがきは細かい字で書かれていて、それだけでも楽しめる内容だったのは事実です。残念なことに紙質がイマイチなのと印刷が雑誌特有の雑なものなので文字が潰れちゃってる物もありましたがね。ちなみにこの投稿コーナーを読んでいて「夜逃げ屋の恭」さんを知らないのはモグリでしょう。彼は常にセーラー戦士を緊縛するネタのはがきを送ってましたね。絵も上手だったんで確かMateではコーナー貰ってた様な。後で時間ある時にMateでも読んでみますかね。

コラム

ま、このあたりは時代が感じられるのと、続けて読まないとなんこっちゃ?ってのと、度々コラムニストが変わるのでこの号に載ってるものにだけ限定してちょっと書いてみますね。

  • ホモ映画監督山崎邦紀の知的おまんたばやし

この号で打ちきりだったらしい。SFものアダルト小説のマージ・ピアシイの『彼と彼女とゴーレムと』という物について書いているが、普通に面白いんですがw

  • 信州の借金王後藤冬吉の赤き血のマット

筆者はこのとき借金約四千万ほどあったらしい。まぁ、借金話の方向でした。

この号では鋭利菊について特集してます。鋭利菊といえばもはや忘れるほどですが、とっ捕まってましたな。画力は大した物ではない物のフェチ心をくすぐるギミックを沢山生み出しました。ここの文は主に批評ですかね。

イラスト投稿だけじゃなくてヌードモデルにもなったりするらしい投稿職人のなれの果てだそうです。久々に記事を書くらしく自己紹介してますな。

  • オッサン雨森一の活字本でも読んでみっか?

よくあるなんでこの雑誌にこんな本の批評が載ってるの?ってやつです。

まんまですな。

このコラムで初めて杉作J太郎という人物に出会いましたね。何故か芸能ネタを書いてます。

その他

読者コーナーの次はエロ本にありがちなエロゲーの紹介記事です。当時はまだNECのPC98シリーズ全盛でしたなぁ。ま、もはや存在しないゲーム会社のことをコメントしても詮無いんでスルーで。

  • 同人誌レポート

当時の世相を表すようにセラムン三本紹介、残り一本は姫ちゃんのリボンセラムン全盛ですなぁ。

総括

兎に角こんな感じでレモンクラブは成り立ってました。流石に一通りの紹介とはいえそれぞれやると長文で疲れますw。次回はこの日本出版社の塩山班の作家について行ってみる予定です。