カインのしるしについて

日本ではあまり知られていないカイン(英語ではCain、ヘブライ語ではQayin)のしるし(Mark of Cainとかいうらしい)。もちろんアベルとカインのあのカインです。旧約聖書の偽典である「ヨベル書」に登場する人物でアベルの兄でアダムとイブの長男ですな。手っ取り早く言うと兄弟が神に捧げ物をしたらアベルの方の捧げ物だけを見て、カインとその捧げ物についてはスルーしたわけです。それに切れたカインは弟を殺したんですが、神にすぐに見つかって呪われたと。で、追放されるカインに神はしるしをつけたとされているんですが、これがカインのしるしって奴ですな。元々このしるしはカインを傷つける物はその七倍の復讐を受けるという呪いの類じゃなくどうやら逆にある種の祝福的な物としてやられたようです。*1しかし、そういう好意的な形では受け取らずに一般的にはこのしるしをも呪いの一部と見なしていたようです。
まぁ、聖書にもきちんと書かれていないんでどんなものか?ってのは謎です。有力な説によると額につけられたなんらかのマークで十字だとか単なる点(インドの人がしているような額のチャクラの所にしるしをつける類の物なのではないか?)と言われていますが、はっきりしたことは何も言えません。また、そういった類の物ではなく、赤毛なのではないか?という説もあるそうです。なんか黒人の持つ黒い肌がそのしるしではないか?という人種問題的にかなりヤバイ説が有ったらしいですが、もちろんそれは違うでしょうね。この黒人の肌の色が云々というのは案の定、奴隷制奴隷貿易の補強材料として用いられていたそうです。
なお、聖書の影響色濃いイタリアの方ではカインのしるしというと、肌に焼けた鉄などで焼き印を入れる類の刑罰を指すそうです。

*1:私なんかにはここら辺で人間という殻を破り、神と同列になったとかいう感じになると望ましいんですが。いかにもオカルト的でラノベのネタになりそうでしょ?