荻原浩 僕たちの戦争

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あらすじ

フリーターからニートに落ちた現代の若者尾島健太。かれはゲームクリエイターの夢を持ちながら具体的方向性を見いだせず、趣味のサーフィンに精を出していた。時は911テロど真ん中。だが、そのサーフィンで気を抜いた時に波に飲み込まれ・・・
一方昭和19年の日本では予科練でしごかれる石場吾一が単独飛行訓練についていたのだが、操作を誤って海に墜落した。
両者はそれぞれの時間を取り違える形でクロスした。
健太は昭和19年、吾一は2001年でそれぞれの時代の波に飲み込まれる。

感想

あらすじが激しく短いのはこの本が全くもって好きになれないからです。一言で言うと、『Winds of God』のパクリです。しかも劣化してます。10ページ読んだところで気がつきましたよ。
作者は若者に対しての怒りを没落したリベラルな視点から行っています。しかし、作者は非情に中途半端と云わざるを無いですね。リベラルに徹底し切れておらず、弁解するような節を入れています。なんとも往生際の悪いと読者に誹られても仕方ないです。そんな状態ですから、この話のテーマがさっぱり見えてきません。ありがちな「反戦」なのか、「旧軍部への怨嗟と批判」なのか、「現代のモラルの欠如」なのか、「戦前の思考停止」なのか・・・。私には悪質な『Winds of God』のパロディ以上の物は見いだせませんでした。結局、整合性のない未来でのキャラクターの関係人物が過去に登場するなどのご都合主義とラストのご都合主義で、物語としての主題が見つからないまま適当にエンターテイメントにして出して出来た糞みたいな話ってのが最終評価ですかね。こういう内容を持ってくるならもっとしっかりと勉強して、適当な話を書かずに有意義な物にして欲しいと思うわけです。戦争の悲惨さを非難するのは60年とか経ってるんだから正直もういいよ。自虐はいらん。つーか、孫の世代にまで負の遺産を背負わせるなよ。これは広島・長崎にも言える事だと思う。戦争が悲惨だったのは日本が残虐だったからじゃなくて、相手がアメリカだったことが問題なんだ。核兵器がどれだけ悲惨で残酷だったかとか非人道的な後遺症を残す物だったかを意図的に情報隠蔽したことや、明確な謝罪がないことを問題にすべき。日本の原爆はあくまでデータ収集でしかなく、メディアから隠蔽されていたという事実を知っている人がどれだけいるんだか。それに日本のされた空襲だってあれは民間を狙った意図的な虐殺ですよ。米国がやったことは民間人を狙ったテロなんですよ。何故それを問題にせずに非難されるに任されているのか?これは明らかに核の傘に入っている日本がきちんとした自衛を行わないことが最大の問題なんです。日米安保を改訂するなりなんなりをそろそろ考え出す時期だと思います。当然憲法九条もね。でなければ、日本は成長できませんよ。本当の意味で武力を完全に放棄した日には、支那か半島に攻め込まれて1週間で日本は終了です。それを考えずに思考停止で「戦争反対、武力反対、九条絶対堅守」とか言ってる頭の悪い政党はそろそろ消えた方がいいです。外交の基本は脅しとすかしなわけですが、日本は金で平和を買っているけれども、こんご経済破綻は見えているのだし、先がないです。糞ったれな外務省の役人に最低限の仕事をさせる基本的な環境をまず整えるのが先かと。日本はずっと侵略されっぱなしなんですから。それを忘れて過去のどうのこうのと言われ続けるのは不快です。
戦前の話をコメディめかしてやるのにはもう旬が過ぎすぎていて、それにタイムトラベルと「ご都合主義のほとんど同じ外見の二人の人間を入れ替える」なんて芸のない事はやっても面白くも何ともないかと。過ちは二度も繰り返さないで佳いです。(広島の記念碑より)

以下駄文

日本には死者に鞭打つことはしないんですよ、支那の様にはね。戦後教育で歴史を勉強してもわざわざ現代のまで行かないのは学習指導の問題で、日教組などの反日団体が教育現場にいるので、思想教育をされる可能性があり、それを防止するために現代の歴史についてスルーしてきたんですよ、文部科学省*1。それをフランスの左翼新聞なんかは「日本は過去の悲惨な歴史を意図的に忘れようとしている」等とかき立ててますが、武器商人の国に言われても痛くもかゆくもないです。国が占領された後、速攻でドイツに追従していた癖に過去を忘れているのはどちらなんだろうって事ですよ。それにアジア諸国、アフリカ諸国に欧米の植民地を敷いてきた国々は一度でも謝罪してますか?そんな話は聞いたこと無いですけどね。イエローが植民地を敷くなんて生意気だってのが背景にあるんでしょう。人のふり見て我がふり直せってことわざを教えておいた方がいいんでしょうかね。
日本にしてもあまりにも過去を否定して、戦争を否定するのは周辺国にとって御しやすいだけの国になっているって事をきちんと教えることが先決です。中国から延々舐められ続けて、半島からも舐められ続けて、金を取られ、領土を取られてもへらへらしてるような糞政治家は腹切って死ねってことです。勿論外務省の糞の役にも立たない役人もね。
外交の基本は脅しとすかしと情報戦です。日本には金での懐柔の一手しかないので、相手には与しやすいだけの金蔓にしかなっていません。やはり、外交での基本である脅しは武力なんですよ。これは誰がどういっても事実なんです。滅ぼされたくないならば、自衛手段を執るのは当然のことです。自衛隊が軍隊ではないとか無駄な論議を国会でやるくらいなら、まずは憲法改定のための方策をきちんと議論する方が何倍も有意義です。そもそも日本には憲法を改定するための基礎がないのですから、そこから始めるより他無いわけです。
情報戦に関しても、日本はスパイ天国で情報が筒抜けですし、簡単に政治家はその首根っこをつかまれまくっていて、日本に不利になるようなことばかりです。防諜法、そして九条の改定は急務です。そもそもやらない方が国としておかしい。
なお、半島に関してはかつて戦前は日本だったのだから、一緒に謝罪するのが筋です。自分たちだけ知らん顔をするなんて実に厚顔無恥としか言えない。そこを都合の良いように解釈して、親日法なんて作るあたりは頭がおかしいです。民主主義の国とは思えない弾劾でしょう。未開の国と付き合うのは骨ですね。

20点。この本読むなら映画の『Winds of God』観た方が万倍まし。

参考リンク

僕たちの戦争
僕たちの戦争
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*1:かなり希望的観測な個人的意見