井沢元彦 小説「日本」人民共和国

あらすじ

時は1995年。原発で主人公とその恋人が巨大地震に会い、原発は壊滅状態。更に津波がきた事で原発は大爆発を起す。
主人公とその恋人は何故か知らないが、ほとんど北朝鮮を模倣したような共産体制の日本に来てしまった。どうやら過去が変わったらしい。うろうろしているうちにスパイとして断罪される事になるが、死の危険に謎の力が働き、タイムスリップをしてしまう。時々の共産体制の惨たらしい惨状を見つつ、その元凶を芽が出る前に潰す事を主人公は決心する。

感想

えー、なんていうかもう脳内お花畑な感じの本です。この内容に高橋留美子の「炎のトリッパー」がよぎったのは秘密です。褒める点はほぼ無いと言っていいですが、1996年の4月に出版されたというそれだけが救いでしょうかね。もうなんていうか、使い古されたネタをなんの捻りも無く、昭和の古臭い文体で、予定調和バリバリに書き下ろすなんざ正気の沙汰じゃないです。まぁ、言いたい事はわかりますが、それを小説として書くのは自分のノートだけにしておいて欲しいもんです。下手すぎて泣けます。なんか反共関連や歴史見直しの著述が多いようですが、小説書きとしては三流と断じていいレベルです。むしろ小説家を愚弄してるようにしか思えんのですよ。中学生くらいまでならこれでいいんでしょうが、それ以上は確実に読むに値しないでしょう。まぁ、井沢元彦の本なんて初めて読んだからしょうがないんだけど。馬鹿でも分かる北朝鮮批判みたいな感じで当時は意味があったんでしょうが、現在だと中学生が手慰みに書いた小説みたい。まぁ、中学生ぐらいの年齢の人を侮辱するつもりはないものの、そう感じるんだからしょうがないじゃない。かわぐちかいじの「太陽の黙示録」の元ネタか?ぐらいな感じがしないでも無いけど、幼稚すぎてこれもとネタとは思いたくはないなぁ。
20点。
共産主義に幻想抱いていない人間が読んでももはや時間の無駄。絶版なのもむべなるかな。

参考リンク

小説「日本」人民共和国
井沢 元彦
光文社 (1996/03)isbn:4334922643
在庫切れ

「日本」人民共和国
「日本」人民共和国
posted with amazlet at 05.06.04
井沢 元彦
光文社 (1998/04)isbn:4334725813
在庫切れ