瀬名秀明 パラサイト・イヴ
ラジオドラマになり、漫画にもなり、そしてスクウェアでゲームの原題にもなった小説ですな。最近瀬名さんはロボットやら人工知能(人工生命)とかに興味を移してる模様。作家になるきっかけだった生物系の科学じゃなくて機械系の科学のハイテクに興味を移したのは何ででしょうねぇ。
あらすじ
ある日薬学部の気鋭の生化学者の妻が自動車事故で脳死。
妻は生前臓器バンクに登録していたので腎臓は臓器移植される事になった。移植を受けるのは14歳の女の子。他人の肝臓を受け入れる事に生理的嫌悪をもっている。
生化学者は移植の条件として肝臓を摘出し譲り渡すよう交渉して肝細胞をゲットする。肝細胞を培養する事になるが、次第に肝細胞に異変を起こる。あまりにも分裂スピードが速すぎるのだ。ミトコンドリアが織り成すホラー
感想
当時は丁度人工透析や、脳死判定の方向性やら、臓器移植とそれに関連する患者がクローズアップされた時期でタイムリーな話題であった。今でこそ脳死による臓器移植で手術をする人がそれなりの件数増えたが、かつては宗教的な問題やら、法整備が整ってなかった事からゴタゴタが多かったり、海外へって言うのが普通だったわな。まぁ、正直時事的なネタだったのは確か。その関係で売れたって言う側面が強いと思う。久しぶりに読んでみるときちんと専門的な事柄に触れてるハードSF的な内容なのにもかかわらず、ミトコンドリアが人間の姿とったりと随分荒唐無稽なギャグみたいな事をやってるところを読んで、もしかしたら高度なブラックジョークなのか?とか思った次第。人体発火させたりやりたい放題。
点数は60点ぐらいかな