JR福知山線脱線事故の被害

人的被害は確認されているだけで73名、更にまだ一両目・ニ両目に遺体が15体ほどある模様。さらに程度不明の450名の負傷者。生存者についてはまだよくわからない。
幸いな事に時期的なもので暑過ぎもなく寒すぎる事も無いのが救いだろうか。
救助が難航したのは可燃性の燃料が気化していたかららしいが、もう少しやり様があったようにも思える。ただ、一両目がマンションの地下一階の柱を潰しているらしく、撤去は困難だという状況もある。それだけの衝撃だったという事か。一説には列車の衝突の際に状況には1000Gもの圧力を受けていたらしい。前方の列車の乗客の死亡者数が増えるというのもうなずける話だ。
TVでは事件の原因とJR西日本への責任の声が上がっているが、原因については
脱線がすべての原因であり、それ以外は状況説明に過ぎない。脱線の可能性を考慮に入れての防止用のガードレールや、ATS*1を高機能な新型へ移行をしていなかったのは落ち度といえば落ち度だろう。現在の列車は縦方向には強いものの、横方向に弱く、全体としては強度不足といえる。これは車体の重量を軽くする事によって、エネルギーロスを少なくし、スピードの向上のためにしているものだ。JRは国鉄から移行する際、人員の削減やコストの削減を命題として持っていた。車体の軽量化によるコスト削減はその一端だし、JR全体の人員の数もぎりぎりのところで頑張っているわけだ。定時運行を犠牲にしてコストを削減するか、定時運行の変わりにコストが馬鹿高くなるか、民営化で前者以外にはありえなくなったツケと云える。
気にかかった事その一。レールの上に残っていたといわれる粉砕痕置石の可能性は未だ否定は出来ない。ただ、置石されていたとしても、大きければスカートとよばれる列車の正面で弾くはずで、通常それで脱輪する事はないようだ。ただ、これが原因でないとは100%言い切れない。
気にかかった事そのニ。レールから脱輪したのはカーブ付近での急ブレーキではないかとの専門家の弁。カーブをしているレールは片側が高くなっており、通常運行している列車では高い方のレールの内側のところに車輪が当っているが、ミュー*2は小さいらしい。しかし急ブレーキをかけるとミューが高くなる。そのために脱輪したのではないかとの弁であるが、急ブレーキに関してはした、しない、両方の証言があるようでハッキリしない。果たして真実はどちらなのだろうか?

追記:ゲーム脳という科学的根拠のない学説を未だに面白いニュースソースと位置付けるマスコミにより、当該の運転手はゲーム脳ということにされてしまいしまいそうです。砂糖が骨を溶かすというものと同じくゲーム脳似非科学です。
ゲーム脳の嘘についてはここあたりを参照するといいかもしれない。
以下は似非科学についての詳しい本の紹介。

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