小野不由美 屍鬼

小野主上とファンからは云われるらしいですよ。まぁ、そんなことはググルまでまったく知らなかったわけですが。小野さんは十二国シリーズの方が読んだ人は多いかも。NHKでアニメになってたしね。

あらすじ

道一本以外外部から隔絶されているに等しい山深く、険しい村では一人、また一人と死んで消えていく。田舎では非常に珍しい事だが、淡々と日常はすぎていく。夜にまぎれ、引っ越してきた家族は一体何物なのか?消えていった人達はいずこに?死んで行く人達はもしかして疫病か何かで死んだのか?(つーか屍鬼って吸血鬼だがなー

感想

えー、とりあえずあらすじについて。手は抜きました(ぇ。いや、あらすじとしてこれ以上のものは必要ないというか、これ以上だと踏み込みすぎてしまうためですが。
内容としては、日本では珍しいゴシックホラーですな。ただ、分量が無駄に多いために、少々内容が冗長に感じられました。特に日常生活や感情面での描写、その場面での皮膚感というか空気感を感じさせようとした為にそうなったんじゃないかなぁとか思ったり。
劇中では一切好い事は起こらず、一本調子に陰々滅々としてます。夏の熱い盛りを謳歌しているのに、どこか肌寒さを感じる内容ですな。
ラストでは滅びの美学を演出するあたり、吸血鬼ドラキュラの映画版を思い出したりしましたな。見せ場としてはそこら辺しかないのは正直どうかと思いましたが。全編通して物語の中枢の家族についてほとんど出てきません。文庫本で読むなら、極論1巻と最終巻で事足りるかもしれません。物語としての骨子は遠大ではあるものの、必ずしもそこまで複雑にする必要性があったのかという疑問にぶち当たるぐらいのものです。あと、小野不由美独特の漢字回し(当て字使いやら難解漢字多用)にくらくら来る人もいるかと。ありゃ慣れないと読み進むのが酷く骨ですわ。なんつーか書いてて実感したけど、読書マニア向けの本ですな。

まだまだこんなに読めるページがある!あぁぁ、なんたる僥倖!

ぐらいの人じゃないと読んでてタルイかな。
ミステリーというか風俗小説っぽくも感じるしね。
まぁ、細かい人間関係の機微はそれなりに面白く感じましたが。
ただ、本読まない人には絶対にお勧め出来ない本ではあります。
なんか月姫とか連想した人はとりあえず読んでみる方向で。
個人評価としては75点ぐらいかな。(点が辛い
もう少し内容を精査して、纏めた方が体裁がいいだろうしねぇ。
現状では無駄に長いだけ。

参考リンク

屍鬼(一) (新潮文庫)

屍鬼(一) (新潮文庫)

屍鬼(二) (新潮文庫)

屍鬼(二) (新潮文庫)

屍鬼(三) (新潮文庫)

屍鬼(三) (新潮文庫)

屍鬼(四) (新潮文庫)

屍鬼(四) (新潮文庫)

屍鬼(五) (新潮文庫)

屍鬼(五) (新潮文庫)

屍鬼〈上〉

屍鬼〈上〉

屍鬼〈下〉

屍鬼〈下〉