2006年3月に読んだ小説

日付順で列挙。
高田崇史 QED 六歌仙の暗号
西澤保彦 仔羊たちの聖夜(イヴ)
東野圭吾 レイクサイド
西澤保彦 七回死んだ男
浅暮三文 左眼を忘れた男
浦賀和宏 時の鳥籠 THE ENDLESS RETURNING
東野圭吾 ゲームの名は誘拐
奥田英朗 東京物語
浦賀和宏 頭蓋骨の中の楽園
奥田英朗 最悪
西澤保彦 スコッチ・ゲーム
麻耶雄嵩 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
東野圭吾 悪意
琴音 愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ
編:中島河太郎 ひとりで夜読むな 新青年傑作選怪奇編
貴志祐介 黒い家
浦賀和宏 とらわれびと ASYLUM
貴志祐介 クリムゾンの迷宮
浦賀和宏 記号を喰う魔女 FOOD CHAIN
乙一 小生物語
東野圭吾 ブルータスの心臓
浦賀和宏 学園祭の悪魔 ALL IS FULL OF MURDER
法月綸太郎 ノーカット版密閉教室
戸梶圭太 未確認家族
重松清 疾走
戸梶圭太 嘘は止まらない
古処誠二 遮断
C・S・ルイス ライオンと魔女 ナルニア国物語
奥田英朗 泳いで帰れ
鯨統一郎 邪馬台国はどこですか?
綾辻行人 時計館の殺人
計31冊ですかね。エッセイが二冊入ってるんで厳密には小説だけじゃあないわけですが。
今回特筆すべきはこの三人(浦賀和宏貴志祐介東野圭吾)かな。
浦賀さんは安藤シリーズの初期三部作までが非常に面白かったです。それ以降はちょっと・・・趣味に合わないというか。
貴志さんは外れ無しでした。二作とも非常に良くできていて実に楽しめました。新作はホラー方向にして貰えないかなぁ。
東野さんはがっしりした本を書くよりもやや軽めの本の方が面白いような気がします。『レイクサイド』と『ゲームの名は誘拐』は穴が沢山あるにもかかわらず、それを意識させないだけのラストを演出できちゃってるんですよ。それにスリルを読者にきちんと意識させることが出来るというのも才能でしょうねぇ。ただ、合う作品もあれば合わない作品も多いのがこの人の特徴なんで合う合わないを色々試してみると佳いかもしれません。多作多才な人ですから。
あとは西澤保彦の『七回死んだ男』と琴音の『愛をめぐる奇妙な告白のためのフーガ』あたりですかねぇ。
西澤さんはもうちょっと軽めの本を書いてくれれば楽そうなんですがねぇ。規則性に縛られている中での美を追究しているようで偶に偏執的な物を感じてしまいます。本作はそんな作者の代表作です。百聞は〜といったところ。
琴音の方はまぁ、人それぞれだと思いますが、シュルレアリズム的世界のどこかと規定するならばなんとなく有りそうななさそうな微妙な歪んだ世界です。作品のラストは「有る」と「無い」が両立する「人は信じたい方を信じる」を具現化させていて中々面白い。だが、作者に難があるようだw。
あとは古典方向で夢野久作*1とか渡辺温渡辺啓助の兄弟とかが気になっている今日この頃。

*1:今気がついたが竹久夢二夢野久作を混同していたようだ。通りで夢野久作でググっても美人画が出てこないはずだ。