きづきあきら ヨイコノミライ! (1)・(2)

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ヨイコノミライ! (1)
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きづき あきら
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ヨイコノミライ! (2)
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きづき あきら
ぺんぎん書房 (2004/10/24)
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ぺんぎん書房倒産で最も憂き目をみたきづきあきら氏の漫画をようやく読みました。三巻目は流通量が少ないらしく捕獲に失敗。現在2.5倍ぐらいでプレミア付き中のようです。
さて、本作はここ最近ちょっと話題になりつつあるヲタク系のクラブ活動をネタにした漫画です。古くは『究極超人あ〜る』の光画部から始まり(異論があるところかもしれない)、『大同人物語』を挟み、現在は『げんしけん』がその最も著名なジャンル対象でありますが、そこに加わったのが本作です。
にしても一巻にあるとおりの内容です。
痛い・・・痛すぎる
誇張して書くにもほどがありますねw。いや、ある意味で真実に近いのも事実なんですが。電波女にストーリーが作れないイラストレータ、勘違い評論家紛いに仕切れない仕切り屋、ホモSS書きにすれまくった商業同人屋。うーんなんて整合性の、そして生産性の低い連中なんでしょう。まぁ、漫研なんてどこもそんなもんなんですけどね。
内容には実に毒満載です。この身動きの取れていない漫研を赤ん坊から幼児へと変貌させようと動く部長はひたむきですが、一方でその部長に接触してくる謎の巨乳女が出現して混迷を極めるといった内容なのです。この巨乳女はどう行った略歴なのかはきちんと示されませんが、父親から虐待を受け、漫画が嫌いではあるものの、同人活動か商業活動をして金を得ているそんなキャラクターです。彼女は父と兄にされたような事を漫研の部員にして阿鼻叫喚の人をそして漫画を信じられなくなるような策謀を巡らしているらしいのですが詳しいところはよくわかりません。そしてその目的も謎なのです。単なる気まぐれ、暇つぶしの可能性もありますね。一種の復讐(対象が明瞭ではないですから八つ当たり?)なのかもしれませんが、かなーり無意味なことに相当な執着を持っているようです。
キャラクター造作は所謂表紙で騙されたエロ漫画並み。正直書き分けは巧くいっているものの、絵が一定していません。且つちょっと時期はずれな感じのする絵ですねぇ。独自性は持ち合わせている物の十人が十人微妙と言いそうな感じは否めません。あか抜けないと評するのが適切なのではないでしょうか。
一番の問題は二巻にしてまだまだストーリー過程の序盤以下だって所でしょうか。仄かな意図的な恋愛模様にしてサークルクラッシャー的な話作りの方向性は認められるけれど明確なつかみがないんですよね。まさか、この状況下で各女性の萌え要素に萌えろとかいうのも掘り下げすらやってないというのに無理だし、それ以前に自傷行為やら作話電波状態で普通に付き合うのもちょっと遠慮したい痛いキャラだったりと性情の範囲内から随分と離れてヤバイ事はパンピーでも解るほどの内容なのにそれでもやはり危険なほどに萌えるとかワケの分からないことにして欲しいわけですか?作者は、とか深読みしてみる。うーん、やはり、『げんしけん』からは二段から三段ほど落ちる内容ですね。ただ、異常性の面においてはかなり優れてますが、そっちは相当のマニアじゃないと受け入れが難しい部分なので素直に喜べないのが難ですが。
正直なところ、これではまるで収まりがつかないので角川あたりが版権入手して再販してほしいなぁ。最後まで読みたい、只それだけですね。