東野圭吾 おれは非情勤
あらすじ
- 第一章6×3
一文字小学校に赴任した非常勤教師が殺人事件に遭遇してそのダイイングメッセージが「6×3」だったときの話
- 第二章1/64
二階堂小学校に赴任した非常勤教師が遭遇した秘密が1/64だった。
- 第三章10×5+5+1
三つ葉小学校に赴任した非常勤教師はクラスの雰囲気が嫌にしっかりしすぎていているのを気にする。前任者は校舎から落下して死んだらしいのだが、本当に自殺なのだろうか?
- 第四章ウラコン
四季小学校に赴任した非常勤教師はクラスの女子生徒の飛び降り自殺に遭遇して上手く助けるが・・・。
- 第五章ムトタト
五輪小学校に赴任した非常勤教師は面倒なことに運動会と修学旅行がある時期に来てしまった。ある時修学旅行を中止しないと自殺するという脅迫が教室の黒板に貼り付けられていた。ただし、封筒には「先生ムトタトアケルナ」と表書きされていたのだが・・・。
- 第六章カミノミズ
六角小学校に赴任した非常勤教師のクラスの男子生徒が倒れる。男子生徒の飲んだペットボトルの水に砒素が検出された。ペットボトルには「神の水」と書かれていた。
- 放火魔を捜せ
近所で放火が頻繁に起こっているので夜回りをすることになる。小学生の竜太は興味を引かれて父親に付いていくのだが・・・
- 幽霊からの電話
竜太の家に見知らぬ女性から留守番電話が入る。竜太は自分の母親だと思ったのだが、どうやら違うらしい。調べてみると電話をかけた人物はすでに死んでいるらしいのだが・・・。
感想
東野圭吾の読んだ本9冊目になるのかな。総じてミステリー導入書ってな趣き。初級者以前の初心者が読む本ですな。ミステリーの英才教育をする前に、興味を持って貰うために勧めると入りやすいかもしれない。ただし、読者があんまり年齢が高いと馬鹿にされてる気がするかもw。
本書は非常勤シリーズについては学研の『5年の学習』〜『6年の学習』に、竜太が主人公の二編は同じく学研の『学習・科学 読み物特集』で連載された物らしい。掲載された当時にPTAから突き上げが来たらしいのもむべなるかな。ちょっとこれ学研に載せると五月蠅くないかなと思わせる現代的な退廃具合。おまけに主人公はハードボイルド調で世を拗ねてる。ただ、PTAの過保護具合とかを考えるといちいち付き合ってられませんが。昼ドラで退廃を地でいく主婦連から何言われても説得力のかけらもありませんしね。
今回はそれぞれについて感想を書くのは控えておきます。書いちゃうと全部バレちゃいますから。まぁ、ミステリーとしてよりも読み物として面白いのは保証します。じゃないと子供に読ませられませんしね。ただ、パズラーな人には物足りなさ過ぎでしょうなぁ。相変わらず節操ないほど多ジャンルに挑戦する作家だなぁと実感するに止まりました。
50点。
小学生に読ませるなら80点ぐらいですかね。