朱川湊人 花まんま
あらすじ
- トカビの夜
差別はいけませんよー話
- 妖精生物
オナニーネタ
- 摩訶不思議
三人寄れば文殊じゃなくて成仏できる
- 花まんま
リンカネーション(輪廻転生)ネタ
- 送りん婆
言霊であの世に送ります
- 凍蝶
夜の蝶と奄美の蝶
感想
一度書いたものを思い出しながら書くのもあれなんで、手抜きで。
第百三十三回直木賞受賞作。40〜50代あたりをターゲットとした話で、読み手としてはまったくノスタルジーを感じなかった。薄暗くて小汚い大阪のドヤ街を舞台にした人間模様と言うより、人間のクズさ加減をひけらかすような胸くそ悪い本だった。ちなみに連作短編ではあるが、主人公はそれぞれ別で、性別すらも異なることから、一つの箱庭内の仕切られた密室的な短編集。なお、綴り方は私小説スタイルで、実体験や取材内容も含まれていると思われるが、どこまでが創作でどこまでが経験したことなのかは分かりかねる。そもそも生まれていなかったわけだし。
「これが人間さ」とでも筆者が言っているかのように思える訥々とした内容には「ねこぢる」的露悪趣味で彩られている。ホラー系作家らしいが、確かにホラーっぽさを感じるものの、どうにも好きになれそうにない。理由としては初っぱなで大江健三郎臭のする話をいきなり持ってきてるからだと思うけど、これは個人の好みの問題だから仕方がない。
- トカビの夜
とても朝鮮問題を理解しているとは思えない日本人加害者的描き方を徹底しているのが気にくわない。大阪だから許されるのか?
済州島からの難民が殆どというのが在日のルーツ。朝日新聞的造語の『強制連行』についてはそも意味が違う。第一「徴用」された人間で帰る意志を持った人は終戦後きちんと帰ってる。差別だどうのという前に、全国的にやられた駅前の土地の不法占拠や、暴力事件の頻発、戦勝国だとのたまって徒党を組んで暴れ回っていたという事実は撤回できない。あーそうそう、民族学校ってほとんど不法占拠した土地に建ってますから。そんなんで日本にとけ込んだり、わざわざ日本国籍を取ったりしない人間が、どうしたら周辺社会に溶け込めます?現在だってまるで日本人のような偽名*1で過ごし、日本人のように逮捕されていっている*2。でも凶悪な事件の裏には日本人より圧倒的に数が少ないはずの在日が居るのはなんででしょうね?日本人よりも優遇されて、年金の掛け金払わなかったのに受け取って、生活保護をガンガンに受けまくってるのは何人でしょうね?こんなんで友好なんて出来るわけないだろうが!無恥にもほどがある。
無意味な加害者意識におけるマゾヒティックな謝罪を繰り返すアカ的思考からまず逃れないと友好なんて事は口に出しても意味がない。そんなに自己憐憫に浸りたいなら首吊って死ね。
- 妖精生物
妖精生物がペニス、瓶が膣と言ったようにエロスな話。オナニーの隠喩だろうね。小道具に頼る必要性があまりないと思うんだがなぁ。結局猿の手やら干し首の類の類似ネタに落ち着いているが、福をもたらすはずの妖精生物は禍をもたらしているようだ。作者はロリコンですか?
- 摩訶不思議
高座ネタになりそうな話。比較的まともだがネタが薄い気がする。ひねりとは違う肉付けの問題なのかも。
- 花まんま
表題作。花まんまの「まんま」は「(〜の)まま」という意味の方ではなくて、「飯」の意味の方。おままごで自然にある物使って見立てるってのは良くやるけど、そこまで本格的なことを子供がするかちょっと疑問。そういえば桜の木になる実を絞って汁にするってのが幼稚園の時にはやっていたような。おままごとには無縁だったから良く憶えてない。
この話も普通。際だってはいないと思うが・・・。
- 送りん婆
送りん婆本人が初めに逝かなきゃおかしいような・・・。業が深い事を主眼に据えて話し作った方が明らかに面白いと思うんだがなぁ。
- 凍蝶
ひねりがない。こういうネタって蝶が現れる以外はかなり繰り返されてると思うんだけどなぁ。
総じて文章力はあるし、読ませるけどファンタジーと一言で片付けるには異存があるような内容の本に賞やるのはどうかと。そもそも連作短編なんだから長編の直木賞をやること自体ちょっとアレだと思うし。
後味悪い話を書くにしてももっと強烈にやった方がいいと思うんだがなぁ。臓腑を抉るような陰鬱さとかは無いし、ほんのりだけだと飽きるわ。懐かしさだけを閉じこめた中途半端な後味悪いファンタジー物ってどう考えても半端すぎると思う。中高年のみターゲットにした本には流石に価値は見いだせないなぁ。
50点。