「蒼の封印」読了

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遅い盆休みの暇つぶしに漫画よみあさってるんだけなんだけど、なんか新境地を開拓できそうな予感。篠原千絵が描いてる本書だけど、いろんな意味ですげぇ。
初巻が発刊されたのが92年とかその当たり、でも内容が古式ゆかしい70年代少女漫画w。初めに驚かされるのが悪役の面・・・おまえどう見ても高校生じゃないだろw。髪の後退具合から言って30超えてる感じ。美形以外は悪役面ってのは伝統芸なんでしょうかねぇ。で、内容は主人公の女が実は鬼の総大将で、千年前に殺された本体のクローンだったと、そして何の因果か自分を殺そうとする敵の人間と恋仲に・・・。うーんこんな荒唐無稽且つ無理矢理恋愛方面に向けようという気満々のいかにも少女漫画を嬉々として読む人が居るんだろうか・・・とか思ったけど、男向けの漫画の場合格闘志向になりがちなわけだし、一つの方向性なんだろうな。
しっかし、四神の名をポンポン出したり、千年前の人物の癖にビキニ姿だとか、鬼が増えれば増えるほど人間の数がとんでもなく速攻で消え去るのは当然なのにも関わらず、同族の数を万単位で増やしたりとか悪性のガンかってのw。そも人間を食う必要もないんだからなぁ・・・嗜好で食ったりはしてたみたいだが。
主人公の一角姿はもう、宇宙皇子*1しか連想できない。
あー前半最高のキャラクターは白虎の叔父かな。先代の白虎らしいけどその発言が切れてる。
「うろたえるな、おまえをサポートするためにつけた火だ」と他人の家を気軽に放火してのける。
「警察も消防署も半分はおさえた。騒ぎがつづいている間に殺せ!!」と自分の手は汚さない。
「"蒼龍"を殺すためなら街どころか国ひとつ滅ぼしてもかまわん」と知らん民家に正体不明のロケット砲のような兵器をぶっぱなす。つか国滅ぼされたらどうしようもないだろうにw。
おまえ明らかにおかしいですからw。
しっかし、鬼が人間の戻る方法が閨房事ってのはさもありなん、少女漫画ならでは。エロ漫画じゃあるまいし、強引すぎるよなw。
鬼とか描くならもう少しデザインに気を遣って欲しいなぁとか思った。恋愛模様を押さえても駄作か。小・中学生ぐらいの女の子が読むのが適当なのかな。絵柄が古すぎるのが最大の問題点かも。男性が読むのはほぼ100%考えてなさそうだしね。
にしても二ノ宮知子は偉大だよなぁ(唐突)。同じコテコテでも読ませる本とあきれさせる本の相違の甚だしいこと。化石と新人類の違いかな。まぁ、もう古典に入りそうな本だし仕方ないか。

蒼の封印 (1)
蒼の封印 (1)
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篠原 千絵
小学館 (1999/02)
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*1:余談だが98年に完結していたらしい・・・。実は第四シリーズあたりで飽きてしまったので最後まで読んでなかったのだが、久々に一気に通読しようかとちょっと考えた。幸い手元にシリーズであるはずだし