浅田次郎 プリズンホテル春

あらすじ

極道の開いた真っ当なホテル、奥湯元あじさいホテルはその異名をプリズンホテルという。
プリズンホテルシリーズの最終巻*1

感想

あああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!
死ねるorz
わたしゃ編集者を恨みますよッ!!!
なんで春が最終巻なんだァァァ!!!!!!!
・・・おかげで最終巻から読んでしまったじゃないか・゜・(ノД`)・゜・。
こんなに面白いのに・・・こんなに面白いのに
シリーズ物はやっぱり順番に読まないと気がすまないのですよ。
しかもあとがき読むとこれがこのシリーズ最後とか作者書いてるし・・・。
地団太を踏むって言うのはこういうことなんだろうなぁ・・・。憤懣やるかたなくて、この怒りをどこにぶつけようかって無駄なエネルギーが体に充満したまま行き先を探してますよッ!
まぁ、頭を切り替えるしかないですが。

で、中身についてですが・・・、やばいですわ。傑作も傑作。大傑作ですよ!やばいぐらいうまい、面白い、泣けると三拍子ソロってます。
プリズンホテルってドラマ化された時に見ていて、確か一度読んでるはずなんですが、相当昔の話なのでよく憶えていなかったのですよ。で、本作ですが、続き物の癖に、単体で実にきちんと作りこまれている。しかも作者が楽しんで書いているのが手にとるように分かります。万感の思いを込めて書き上げたんでしょうなぁ。楽しんで書いてないとこうも読んでてウキウキワクワクドキドキできませんよ。章の単位が実に細かい分量なのでサラサラ読める内容ですし、笑い有り涙有りという言葉がここまで実感の沸く作品はマジで初めてなんじゃないかと感動しました。今まで浅田次郎という作家に対して持っていた感覚はどっかに吹っ飛んで今では神扱いですよ。近いうちに夏・秋・冬そして壬生義士伝を手に入れる予定です。つーか、こんなにエンターテイメントしてる作家を散々スルーしてたなんて後悔しきりです。
べた褒め過ぎて胡散臭いと思った人、ある意味正解。疑って当然ですわ。でもエンタメ系好きな人がこれ読んで面白くなかったら読書辞めた方がいいかもってぐらいの作品なので、騙されてください。後悔は神に誓ってないと思います。*2
ただ、「プリズンホテル夏」が一番最初の本なのでこれからお読みくださいな。じゃないとたくさん損すると思います。私みたいに・゜・(ノД`)・゜・。
まだちょっと内容書き足りないのでもう少し補足*3。ジャンルで言えば仁侠小説っぽいです。喧嘩っ早くて人情に厚いって感じでしょうかねぇ。直情径行型の私なんかはこういうのに弱いですわ。語り口は軽妙且つ最小限。人と人との会話のキャッチボールが基本ですな。なお全てのキャラクターに目を凝らしてください。皆生き生きしてますよ。暴走一歩手前で巧い事抑えているので軽薄で浅薄で暴力的な感じのキャラたちが善い感じに味を出しています。極上の鍋みたいなものです。どこにも捨てるところは在りません。後は食すだけです!
点数は99点!*4

蛇足ですが、この本が何の賞も獲ってないのが実に悔しい。まぁ、初めのプリズンホテルで獲ってるわけですが。

参考リンク

プリズンホテル 春
プリズンホテル 春
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浅田 次郎
徳間書店 (1997/01)isbn:4198606307
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プリズンホテル〈4〉春
浅田 次郎
集英社 (2001/11)isbn:4087473783
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*1:なんでこれがあらすじなのか?って聞くのはやめて欲しい。書きたくないからだ!

*2:無神論者だがw

*3:前半内容誉めてるだけだしねぇ

*4:100点じゃないのはどこかにまだ見ぬお宝が必ずこの世に転がっているに違いないから。でも実質現在のオールタイムベスト1位ですな