京極夏彦 ルー=ガルー  ― 忌避すべき狼

京極夏彦といえば「姑獲鳥の夏」の関口と京極堂の妖怪物シリーズとか、「巷説百物語」シリーズや「嗤う伊右衛門」とかの時代物が人気ですな。でもこの本は2030年が舞台。どっちかって云うと「どすこい」とかと同じで、ネタ的な本に分類されるかもしれん。

あらすじ

14歳の少女ばかりが作中に出てくる近未来物。正直内容は無い。

感想

京極夏彦好きでもこの本は読むべきじゃない。何故なら出来がいまいちだからだ。元々アニメ雑誌で読者にアイデアを募って形にした小説らしく、ガジェットは有るものの物語として読む場合、何をしたいのかという明確な特徴が無い。今よりも先鋭化して最先端化するであろう少女達が現実からモニタ内にこそ、自らの実在を感じるなどとしているが、テーマとしてもう旬が過ぎている。
京極独特の節回しも全く無く、妖怪なんかも全くでてこない。作者買いすると損をする例である。
変に哲学させたのが作中が下らなくなった原因ではないか?
なんか京極の好さが0で、名前を隠したら誰にも誰が書いたかわからなそうである。妙に世界観が一方的であり、描写が貧弱であるため、実に薄っぺらに感じた。
純粋につまらなかったので10点。

参考リンク

ルー=ガルー (トクマ・ノベルズ)

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ルー=ガルー ― 忌避すべき狼

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