真夜中の弥次さん喜多さん

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寒さとくだらなさが同居している。その中にパッと少しだけ笑える部分があるね。基本的に不条理な話なので原作もそうだけどお薬の香りが凄いしますよね。どうしても不条理世界というと精神的に病んでいるか、薬物に逃避しているかのどちらかを考えてしまうのはP・K・ディックの影響だろうなぁ。
しっかし、男同士のキスにはいくら役者だといえ抵抗あるだろうなぁ。ディープでチュパチュパやられるとぞぞぞっと引くしね。二回もご苦労様です。
あーちなみに原作に弥次さんの妻ってのは出てこなかったかと。原作比率半分ぐらいかなぁ。基本的なところはあんまり変わってないように思う。むしろ細かいギミックの部分に手を入れてるかな。
えーとあとは気になった役者についてかな。
初っぱな何故か素人同然の役者が居る。彼の名は柄本祐、柄本明の息子らしいが下手にもほどがある。彼だけ悲しいまでに全編で浮いている。
主役の弥次さんをやってる長瀬は相変わらず芸がないなぁ。いつも芝居で同じ演技しかできない。声を荒げてメンチを切るヤクザでも突っ張りでもなくチーマーライクな演技しかできないのはどうなんだろうなぁ。ああ、そういえば昔ホームドラマで芸能人の夫と普通の一般家庭の妻というのをやってたけどあれはあれで別か。とはいえ、声を荒げないだけだったからなぁ。もしかしたら長瀬を重用するクドカンには何か考えがあるのかもしれない。
同じく主役の中村七之助、酒によって暴行だのなんだの(詳しいところ忘れた)ってのがあったような気がしたけど本編とは関係なし。流石に歌舞伎のサラブレッドだけあって演技としては一枚上手。あんまり華のない顔が生きる異色の作品だわな。
それにしてもキャストが豪華だなぁ。生瀬勝久寺島進はちょい役なのにでてるし。ちなみにクドカン作品にはつきものの古田新太荒川良々大人計画の面々はいいとしても意外性としては毒蝮三太夫ARATA(ピンポンでスマイル役やった人)と楳図かずおはどういう接点なのだろう・・・。ちょっと気になる。ちなみに原作者のしりあがり寿も出てるけどいわれなきゃ気がつかねぇよ、と。
お奉行役の竹内力が最高w。やばすぎる。この竹内力の演技は見る価値あるわ。水戸黄門とかで悪代官の役でやんねぇかなぁ。やればこれ流行るぞ。
そして何故かアーサー王役で出ている中村勘三郎、その扱いは激しく悪い。かなりぶっとびな衣装を・・・、これじゃまんま数年前ピンで洋楽の名曲を和訳していた王様そのものじゃないか。七之助の実父にこんな事させるんだから人が悪い。
妻夫木聡を唐突に出すか・・・。まぁ、これはこれでありかもしれないが豪華だなぁ。ま、ちょい役とはいえドラマにはほとんど登場させてるからいつも通りなんだけどね。
板尾は正直寒かった。ナンセンス系でやらせれば良かったのに。
原作も終わりがきちんとしてなかったし、話を膨らませるだけだったからまぁ、こんなもんかな。