西村健 ビンゴ

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あらすじ

新宿のゴールデン街にはオダケンという店がある。店名と同じく店主はオダケン、本名も小田健というのだからあだ名だかなんだかわからない。そんなオダケンの本業はもちろん経営するバー「オダケン」の店主だが、それだけでは喰っていけないので副業でよろず屋をやっている。
元々オダケンは警察官であった。警察学校を悶々としながらようやく出てオダケンが派出所へと着任いの一番にやったこと、それは上司を殴り職務を辞めるという事だった。オダケンの出身は北海道で母親がアイヌだった。故にオダケンもその特徴が身体的に出ている。上司はアイヌを揶揄したのでオダケンの拳を喰らうことになったのだ。で、副業はその警察官になり損ねた埋め合わせをするように始めたのだ(ただ、そこにはスペンサー等のハードボイルド主人公が好きだったという側面もある。彼らは大抵私立探偵だ。)。ただ、その依頼人には一つ条件があった。新宿の住人であることである。だが、歌舞伎町と大久保はヤクザや海外マフィアが絡んでいる事件が多いので、ゴールデン街がある一丁目以外は受け付けていない。命がいくつあっても足りないからだ。警察を辞めるときに持ち出した拳銃、そして北朝鮮で受けた軍事訓練、そして警察学校で受けた格闘訓練、最後に生来の巌のような拳がオダケンの命を守っていた。
その日オダケンは店を開けていた。バー「オダケン」は店主のオダケンの独裁下にある。気に入らない客はとっとと追い出すし、口よりも手が出る方が多い。一見の客でアベックなど以ての外だ。酒が入ってはくだを巻く、空気を吸うよりニコチンを吸っているような男がオダケンなのだ。その日常連でもある岩間はオダケンに副業の方で頼みに行った。岩間はマンションの大家をやっているのだが、とある部屋の入居者に対して他の住人から様子が変だと苦情があった。それをオダケンに調べて貰おうという腹だった。実際岩間のそのマンションは新宿ではなかったのだけど何とか認めて貰うことが出来てオダケンは引き受けてくれた。が、翌日には副業の仕事が複数の渡っていた。一つ岩間のマンションの入居人を調べること、二つ「オダケン」と同じゴールデン街のバー「エース」で偶に無くなるスーパーニッカのビンが何故無くなるのかについて調べること、三つ「トント」のママの猫"トラゾー"を捜すこと、四つ昨日来ていたアベックの女の子が頼んだ落合に公園を作ること。四番目については方策すら解らなかったので一端放置することにして、猫・借家人・夜になってスーパーニッカと順番を決めた。

一方新宿区役所ではきな臭い会合がもたれていた。新宿区長の大川畑静、根津組系新誠会会長の岩佐道太郎、株式会社大野社長の大野顕の三名が面をあわしていたのだ。区長の望みは新宿独立国家への道、会長の望みは根津組組長となり麻薬と女で巨万の富を築くこと、社長の望みは新宿の再開発による事業を一手に受けて金を稼ぐこと。それぞれがそれぞれの野望に関知せず協力の名の下に面では手を組み、裏では手を切るような真似を画策しながら動いていた。今その三人は正念場へと移行しようとしていたのだが、一つ問題が出てきた。ネズミの存在だ。三人が手を組んでいることを察知したカメラマンに写真を撮られたようなのだ。荒事専門の組長がその為に専門家を海外から呼んだのだが、男がやったのはネズミを殺すことで問題のネガを発見できなかった。現在総力を挙げて調べまわっている真っ最中だった。

全く関係ない二つの道が交差するのに時間はかからなかった。運命は成るようになっているのだから。

感想

西村健初読み。うーん意気込みは買いたいけど不純物多し。冒険物にしたいのか、それともハードボイルドにしたいのか、あるいはそれを戯化しているのかちょっと判断つき難し。無駄な説明とかだぶる説明とか分量水増ししている感じがする。ストレートに描かずちょっと斜に構えてる感じでもあるよね。例えば「マイノリティ」が主人公とかね。いかにも差別と闘ってますみたいな話ではあるけど、正直アイヌだとか言われなくちゃアイヌだろうがウミンチュだろうが区別は付かんし付けようという気もしない。一体どれだけの人が気にしてるよ。大概は差別反対をしてる連中の方が差別してるしな。
以下差別についての論考。本書の感想とはちょっと違うので注意。

何故かマイノリティは日本では虐げられているように描かれる。しかし、これは明らかな欺瞞だ。逆に弱者商法や外患誘致の種となっているのは紛れもない事実なのだ。在日外国人は差別されているか?アイヌは差別されているか?琉球人は差別されているか?同和は差別されているか?いずれもノーだ。区別はされている場合もあるが(日本人とそれ以外と言うことで外国人の場合)それ以外は妄想だ。彼らは虐げられているという幻想で利益を得ているか、若しくは民族性を煽られて利用されているに過ぎない。
少し視点を変えて海外に目を向けてみよう。ヨーロッパ・アフリカではエスニッククレンジング(民族浄化)というのが珍しくない。これは明らかな差別である。これには流石にどんな言葉も意味を成さない。そう、本格的な差別というのは命の危機をはらんでいるものだ。そこからすれば日本でいう差別などちゃんちゃらおかしい。また、マイノリティという部分でアメリカの先住民ネイティブ・アメリカンを見てみよう。彼らは確かに虐げられていた。これは事実だが、現在では少し違う。ネイティブ・アメリカン保護地区という名の下に減税を受けカジノを開いて大もうけしている連中が多い。これはフェミニズムとかで良く聞くアファーマティブ・アクション積極的差別是正措置)という奴だ。しかし、これは利権として定着して逆に特権と化してしまっている。一体いつその措置は解除できるというのだろうか?「差別だ!」と叫ばれたらそれで思考停止が行われ「差別は良くない」という錬金術が完成してしまっているといのに。これこそが差別が利権になる構造である。この円環は完成してしまえば解くことなどほとんど不可能だ。
さて、もう一つ日本における外患誘致に関して述べておかねば成るまい。わざわざ特に気にもしていない日本人にはなじみのない多民族性を煽って誰が特をするのか?特定アジアである。特定アジアとは「支那北朝鮮南朝鮮」の事で反日をしていないと気が済まない世界常識の欠片もない三国のことだ。何故かこの三国は自国が含まれているからアジアと誇大して言ってしまう癖がある。これはとりもなおさず大中華主義小中華主義の発露なのだ。彼らは今より60年以上前の第二次大戦(大東和戦争)を持ち出して未だに日本にたかり続けている。ありもしない虚言を弄して日本にたかっているのは正気の沙汰とは言い難い。そもそも支那は当時の政権とは別であって交戦権すら持っていないし、朝鮮に至っては第二次大戦以前に朝鮮側から日本に併合を申し出てきたという事で、賠償を願い出ることすらおこがましい。いわんや従軍慰安婦問題など、物乞い同然の老婆が日本に出張ってきてありもしない事を喚き散らして帰って行く。彼らは金が入れば何でもするのだ。証言も当時の史料も妥当性の欠片もない癖に100回嘘を喚けば真実になると思っている。これは日本人のメンタリティからは理解すら難しいだろう。故に何故か日本では教科書でこれらが明文化されるかされないかでもめる。全く持って馬鹿馬鹿しい話だ。教科書で教えるという部分で自分たちの言い分を認めさせる事に拘っているのだ。これは日本の教育界で大きな力を持っていた「日教組」が政治的な活動をしてきて北朝鮮支那にシンパシーを持ち、その言い分を右から左へ流していたことが続いてきているという面は否定できない。彼らは権利を殊更に煽り、未だに「国旗・国歌」に拘ったり、組合員活動を優先して本業の教職を疎かにするなど非合法活動員的な意味合いが未だに強い。彼らが愚かなのは自分のアイデンティティである「日本」を売り渡して、もっと良い上位の国に治めて貰うことを夢想したり、社会転覆をもって権力を持つことを未だに捨てきれていないことだ。これが外患誘致の内幕だ。日本には70年代安保の時代から阿呆が沢山いる*1
さて、この特定アジア反日をする根源は何だろうか?中華主義からすれば目障りなのだ、日本という国が。中華主義とは「世界の中心は中華である。故にそれ以外は野蛮で劣っていなければならない。世界で一番優れているのは我が国である」という精神性だ。故に劣っているはずの夷狄が優越性を保持していると我慢できない。そうして行われているのが反日である。
また、中華主義とは別であるが、現在の共産主義は前時代的な帝国主義と相性がよい。人民統制が簡単だからだ。情報の統制は行われているし、政治犯収容所などもある。都合の悪い人物は簡単に消されてしまうのだ。未だに版図の拡大を続けている支那の暴虐を見れば分かりやすいだろう。
なお何でこんな話をするかというと、支那の主張からすれば琉球諸島支那の国内なのだという。日本において多民族対立をはかるのは琉球諸島の日本からの独立という攻めやすい条件を得るために他ならない。また、沖縄は支那・台湾の対立を阻害する米軍基地も位置している。基地があるから攻められずに済んでいるという背景があることを覚えておいて欲しい。支那は現在あらゆる資源不足の状況に陥っている。沖縄沖のガス油田の採掘を行っているのもエネルギーの自給をしようとの行為なのだが、自分から対立をはかっておきながら常に強気でいるのは日本のほとんどに大都市に対してICBMを向けているからだし、日本に強気でいれば全部言うことを聞いてくれるイエスマンだからだ。戦後に米国のウォーギルド・インフォメーション(戦争への罪の意識の社会的洗脳)が行われ、支那において日本人は無意味な贖罪意識を持った。これは米国だけの問題では実はない。支那においても捕虜に同様の、いやもっと徹底した洗脳をしている。結果日本には戦時の罪の意識を必要以上に増大させたマゾヒズム的な贖罪を求める者が増えたのだ。これは差別を叫ぶ特権層には都合のいい事だ。故に唯々諾々とイエスマンでいたのだ。だが、それはそろそろ方向転換を図らねばならない。援助した金で独自のODAを始める国になど与える金などこの不況と借金まみれの国においてない。それにそもそも相手側からすれば元より仮想敵国なのは言うまでもない。敵に塩を送る必要はないのだ。
それなのに自称進歩的文化人とやらは未だに堂々巡りを続けている。そろそろ洗脳は解けても良いはずだ。ちゃんとした「思考能力」を持っているならば。そう、朝日、君だよ君。
ま、これだけじゃ納得できないだろうから実例を挙げておきますね。在日朝鮮人であることを理由に挙げて日本で生活保護を受けている連中は日本人よりも格段に多いです。彼らは年金は要らないから掛け金は払わないとやってきたはずなのに、今更年金を求めていたりします。チマチョゴリが切り裂かれるという事件が起きるのは大抵北朝鮮に不利なニュースが流れた直後です。それに不審を抱いた記者が殺されたりしてます。朝鮮人には何故か暴力団員や街宣右翼が多いです。日本の駅前一等地なんかを朝鮮人や台湾人が持っているのは戦後の動乱期に不法占拠した物だったりします。朝鮮学校も似たような形で不法占拠した場所が多いです。戦後朝鮮人は先勝国民と自称し日本中で強姦や傷害などの事件を起しています。日本に来た朝鮮人のほぼ九割以上は不法入国であって日本で言うところの強制はなく、国からの請負仕事を外地の朝鮮で受けて日本に来たというだけです。強制じゃなかった証拠にきちんと史料は残ってますしちゃんと拒否できました。同じく創氏改名も強制じゃなく、単なる戸籍作りの一環です。パチンコはどうみても賭博行為ですが、その業者のほとんど、80〜90%が北朝鮮南朝鮮なので見過ごされてきています。これらは在日朝鮮人の真実です。
他にも同和の場合偽同和が横行していたりとか、同和利権批判者をつるし上げて殺したり、同じように利権まみれだったりします。加えて朝鮮系の同和というものまであって問題は重複していたりします。
真実を少しでも知ったのならば、差別という名のレッテル利権に出来るだけ荷担しないようにすべきでしょうね。

以上で考察終了。
ま、書かれた時期がこういう社会的幻想が幻想だと広く露呈される前なので仕方のないことなのだけれどあんまりにも左臭がするのでちょっと辟易。民族問題とか正直興味ないんだよねぇ。
てかよく考えてよ。主人公の描写が無いからアレだけど、あんまり格好良くないと思うんだよね。偶にスペンサーの真似するぐらいでニヒルでも何でもない。ウルヴァリンみたいな野性味溢れる外見とかなら解らなくもない。でも唐突に主人公が女性から好意を持たれる理由はないよね。危ないところを助けてくれた、それで全てがokに成るようだったら人生楽だわな。酔いどれで空気の変わりにニコチンを吸い、どう考えても酷い匂いだと思うんだが。本編で一度でも風呂に入る描写あった?無かったと思うんだが、ホームレス並みに匂うだろうね。なにしろバーの中で寝起きしてるんだから・・・。海外の小説ならば成り立っても多湿高温な日本だと風呂入らないと気持ち悪いよ。ま、ここについては「アイドルはトイレに入らない」論争並にくだらないので置いておきましょうか。
文章について軽く冒頭で触ったけど、無駄な描写が多いよね。バイクでの移動でどこの道を通ったかとか正直邪魔。状況描写は必要だと思うけど、過剰にやられるとうざい。多分文章に緩急がないんだろうね。それに同じ文章を繰り返すとかね。一例としては「"ワディ"とはタスマニアン・アボリジニの言葉で戦闘用棍棒を意味するのだ」って文章。これは何度も話の中で出てくる。"戦闘用棍棒"って普通棍棒って言ったら戦闘用以外に用途ある?何度も出すならもっと収まりの良い文を書こうよ・・・。
あと、冒頭からずーっと同じ調子で書いてるから盛り上がるのは後半の抗争以降。エンタメとしては盛り上げ能力が低いなぁと思わざるを得ない。話がまるっと収まるあたりは冒頭の四つの仕事が持ち込まれた時点で予想が出来た・・・というか、推理小説かじってる人ならばほとんどの展開が予想できるかもしれない。そういう意味ではすごく安直。胸躍るのが戦闘シーンに集約されちゃうのはちょっとねぇ・・・。
かるーいノリの陽気な物語なので娯楽としては悪くないと思うけどそこまではまれなかったなぁ。これ!っていうキャラクターがいない。B級アクションとしては悪くないとは思うけどね。やっぱり「マイノリティのなんとやら」みたいな部分が強調されて出てきたのがこちらの神経を逆なでして中途半端な感じを覚えさせるんだろうとは思う。登場人物全てに意味を付加するのとかは好きな人は好きかもね。
うーん私は普段こういう軽い話は読まないからなぁ。やっぱりもっと陰鬱で陰惨な方を求めちゃうからなぁ。多分だけど伊坂幸太郎とか好きな人が合いそうな気がする。合う人は陰より陽だね。
70点

参考リンク

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*1:その筆頭はどう考えても社会党だろう。国政に携わるところにこの様な国民を蔑ろにした夢想だけで先走るバカがいること自体恥である。社会党の候補が国政に赴いているような地区の住人は自らの愚かしさをもっと知るべきだ。社会のシステムにだけ敵愾心を燃やし、現実を見ない奴を国政に向かわせることは議席の無駄だ。