舞城王太郎 阿修羅ガール
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あらすじ
女子高生桂愛子がセックスしているところから話は始まる。友達から佐野のセックスが良いと散々かまされ、してみる気になったが、テクねぇし、チンコちいせぇし、もう最悪。顔射されそうになってあわてて避けたけど、左手をけがされた。糞むかつくから回し蹴り入れて三千円捨てて帰ってきた。セックスは好きな相手とじゃないと感じないのだ。帰宅した後、熱い風呂の中でしみじみ思う。ああ、金田陽治とやりてぇなぁと。
翌日佐野が拉致られて、家族に足の小指が送りつけられる。パープーなアイコは学校につくなり訳もわからず同級生にシメられそうになるが、返り討ちにした後でそのことを知る。
感想
ここ最近読んだ中では最低の文章。実際にはそれだけじゃないけどね。装丁は佳いにしても、中の文章の密度といったら、まさに紙の無駄。上下に等間隔に余白が3cm以上あいてるなんて狂気の沙汰だ。緩くやりたいなら行間隔開けるとかほかにやりようがあるだろうに。ま、文庫版はどうか知らないけど、ソフトカバーの新書版には一家言あるわけです。
読み進むにうちに主人公は薬でもやってんのか?とか思わせる多重人格ぶりで、口語で延々脈絡無くつづられる文体は、他人の日記でも読んでるよう。女子高生文学とでも云えば佳いんだろうか。読めば読むほど頭をよぎるのは村上の春樹じゃない方、そう村上龍ね。あれの売春婦とかの脳内を刮ぎとってそのまま文章に起こしたような話があったけど、感覚的に近い。同様に感じるのはひたすらに読み辛いって事か。散文詩的、漫画的、悪夢体現、注意散漫、どれでもいいけど文章にまとまりがないんだよ。本能的にイライラってくる感じが文章からやってきますわ。文章がそうだとしても内容があれば何も言うことはないんですよ。
あ?内容?んなもんどこにも何にもねぇーよ。
女子高生?ネット?少年犯罪?誘拐?殺人?みーーーーんなくぅだらねぇ。ばかじゃねぇのうんこ。みんなうんこだよ、うんこ。
みたいな内容がダラダラダラダラ続いて、収拾もつかずに収束するなんざ下の下だと思うわけですよ。さすがはメフィスト賞受賞作家。糞おもしろくもない文章を本にして1400円も取るわけだ。時間の無駄って奴ですよ。二度と舞城王太郎の本は読みたくないと思うんだけど、一冊ですべて決めちゃうのはなぁ・・・。気が向いたら読んでみる予定、気が向いたら。
しかし、2chを「天の声」として代替するにしても厨房を「キッチン」って言い換えるのはどうかと思うわけですよ。あほらしい。側面を全面と見なすあたり実に保守的ですなぁ。なんか2chというより昔の草の根BBSっぽいし。
30点。
蛇足:作中に綾辻行人の名前が引用されてるんだけどなんか意味あんのかなぁ。
今日の引用
「好き」は「好き」だけ。理由はないの。側面もないの。「ここが好き」「こういうところが好き」とかは言えるけど「ここがあるから好き」「こういうところがあるから好き」というふうには言えないの
なお、この文章は作中の主人公の他人格と思われるシャスティンが言った物
参考リンク
今年の芥川賞・直木賞ノミネート
文学雑誌なんか買ったこともないのであれなんですが、こんな時期にようやくノミネートがあったことを知ったわけですよ。
芥川賞候補
『マルコの夢』 栗田友起 すばる 5月号
『この人と結婚するかも』 中島たい子 すばる 6月号
『さよならアメリカ』 樋口直哉 群 像 6月号
『無花果カレーライス』 伊藤たかみ 文 藝 2005年夏号
『小鳥の母』 楠見朋彦 文学界 6月号
『恋蜘蛛』 松井雪子 文学界 6月号
『土の中の子供』 中村文則 新 潮 4月号直木賞候補
『となり町戦争』 三崎亜記 集英社
『逃亡くそたわけ』 絲山秋子 中央公論新社
『むかしのはなし』 三浦しをん 幻冬舎
『ユージニア』 恩田陸 角川書店
『いつかパラソルの下で』 森絵都 角川書店
『ベルカ、吠えないのか?』 古川日出男 文藝春秋
『花まんま』 朱川湊人 文藝春秋
ほとんど読んでないなぁ・・・一応買うリストに入れておくか。
それ以前におもしろい本であればいいけど。功労賞みたいな位置付けだから必ずしもおもしろいとは限らんし。
追記:今のところ読んだのは「ベルカ、吠えないのか?」だけ。でも直木賞は無いかなぁ・・・。